「ガリレオ」 最終回 (久米宏) 12/17
偉そうな書き方をすれば、
久米宏はホームランバッターである。
バッターボックスでは常にホームランを
期待される。
たとえクリーンヒットを打っても、四番
バッターなのだからヒットなんて当たり前で
観客の記憶には残らない。
ヒットを打った打席はあって無きがごとく、
観客には忘れ去られて、次にホームランを
打つ事をまた期待される。
ホームランバッターの宿命なのだ。
ところがである。
「ニュースステーション」を降板した久米は
「A」で見事な三振を喰らって以来、どうも
当てに行くバッティングが目立って、
テレビでは本来の自分のスイングが
出来ていない気がする。
今回の「ガリレオ」だってそうだ。
昔、「土曜ワイドラジオTOKYO」を
久米が担当していた時、
(おすぎとピーコが新人の頃だから
かなり昔の話だ)
アンケートをリスナーに求めた際に、
東大の大学院生を名乗る男から電話がかかって
来て、スタッフが久米につないでしまった事が
あって、
その男が生放送で突然、卑猥な話しを始めた。
すると久米はすかさず
「ありがとうございました」と電話を切って
「東大の大学院でもこの放送を聞いている
のが判りましたね」
とコメントして、放送事故をかえって
自慢話に変えてしまった。
頭の回転が非常に速い人なのだ。
早口なのを見ても、
頭の回転が速いのがよく判る。
TVスクランブルでの
横山やすしとの会話も緊張感があって
面白かった。
久米宏は型にハメてはいけない。
自由自在にやらせてこそ久米宏なのだ。
芝居なんて、やっちゃダメだと思う。