「闘魂スーパーバトル」 (稔) 12/26
「稔」のニックネームは「腹黒王子」
これから考えると、「腹黒」いけど反面
「王子」の様にカッコよくもある、
という事だ。
例えるなら、
姿のいいヒール、或いは
憎みきれないロクでなし、
訳があって、今はグレては居るものの、
温かい目で見守って欲しい選手であり
更正する余地のあるヒールである。
邪道外道とは同じヒールでも、
より天国に近いヒールだ。
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スーパーバトルに出て来るレスラーは
ほとんどカッコいい。
まるで写真審査から選手が誕生するんじゃ
ないかと思うほどだ。
金本も井上もミラコレも田口も、みんな
カッコいい。
でも「稔」が一番だと思う。
試合前、花束贈呈のお嬢さんも、
コーナーのロープに立つ「稔」に熱い視線を
送って居た。
私は変なものに成りたがるクセがあって、
私はあの花束贈呈の女の子になってみたい。
花束を贈呈した途端に乱闘が始まって、
「きゃ~~」なんて叫び声をあげながら
付き人の若い選手に助けられて、ロープの
外へ逃げる。
リング上では貰ったばかりの花束で殴り合いが
始まっている。
危なかったぁ、もう少しで乱闘に巻き込まれる
ところだった、やっぱりプロレスのリングは
女の子が近寄るには危険すぎるわ、みたいな。
そういった様な
花束贈呈のお嬢さんに私はなりたい。
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「稔」もそうだけど、
リングに上がると、敵を指差して、口を
パクパクさせる。何を言ってるんだか、
マイクも声を拾えない。
対戦相手に罵声を浴びせて威嚇しているんだけど
小声なのだ。
「え?なに?」くらいの。
それが済むと、味方のどちらが先に戦うかで
ひとしきり、もめる。
控え室で決めときゃいいものを、
みんなギリギリにならないと決められないタイプ
なのだ。
大抵は格下で後輩みたいな方が、よりやる気を
見せて、先輩を止める事になる。
「先輩は休んでいて下さい、まずオレが
暴れて来ますから」的に。
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プロレスのロープは何で3本なんだろうか。
4本にしないと危険だと思うけど。
3本でないと、リングから外に飛び出す技の時、
失敗して、くもの巣みたいに、ロープに
引っかかる無様になるのかも知れない。
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昨夜のように4対4の8人タッグ戦になると
レフリーひとりでは、収拾がつかなくなる。
リング上に8人が入り乱れると、
まるで万華鏡をのぞいて居るみたいだ。
あっちでも、こっちでも、いい大人が
死に物狂いで殴り合っている。
着ているコスチュームがハデだから
区別がつくけど同じパンツをはいてたら、
たぶん本人たちも判らなくなる。
技をかけたり、かけられたりで、
耳の三半規管がおかしくなっているので
常時、目が回った状態のハズだ。
同じパンツだと敵も味方も判らなくなる。
毎日会う顔見知りだから余計にそうなる。
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