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2008年7月 8日 (火)

あんどーなつ (三社祭)空想天国 7/7

番組とは関係ない話です。
番組が三社祭の話だったんで。
****************
昔、
三社祭の日に、
あまりにも仕事が忙しいのに嫌気がさして
デコボコ三人組で3階の事務所の座敷で
茶碗酒をちびちび飲んでいたら、

階段をのぼって来る足音がする。
誰かと思えば金原亭の馬生師匠。
この人はお酒が好きでいつも酔っ払っている。

「どうしたい、いい若いもんが祭りの日に
こんなトコでとぐろ巻いてたんじゃ
仕方がねぇじゃねぇか、神輿でもかついで来い」

黙って素直に聞いてればいいものを
バカのAが
「そうじゃないんですよ、師匠。私たちも
神輿をかつぎに行ったんですが、氏子でないと
かつがせない、って断られたんです」

正義感の強い師匠ですから、これには怒り、
「なに、氏子でねぇやつにはかつがせねえだ?
そんなべらぼうなコトがあるもんか。
オレが掛け合ってやるから付いて来い」
ってコトになってしまった。

祭りの会所まで来ると、
師匠はテントの外から大声で
「カシラはいるかい?!」

昭和の今どき、江戸時代みたいなカシラが
いる訳ないと思ったら、ちゃんといるんだね。
「へい、あっしが○組をたばねます、カシラの
○五郎でございやす。大師匠にはわざわざの
お運びで恐れいりやすが、何か不都合でも
ございやしたか?」

幡随院長兵衛みたいな、苦みばしったいい男。

「ございやしたか、もないもんだ。おめえさん
トコじゃ何かい・・」

ときどき酔いで、もつれる舌で師匠が
まくしたてていると、
そのうち異変に気がついたらしく
祭りの若い衆が「なんだ、どうした」って
集まって来て、

何しろ3度の食事よりも喧嘩が好きな連中だから
これは困ったなぁ、と思っていたら
「ここは通行の邪魔になりますんで、よろしければ
中にへーって、酒でも飲んでいっておくんなさい」

お酒と聞いて師匠はぐにゃりとなってしまった。
「そうかい」と言って、こちらを向いて
「おめえたちは先にけえってろ」
ってコトになってしまった。

すっかり酔いがさめてしまったので、
また3人で事務所の座敷で酒を飲みなおしていたら

○亭なんとかという前座さんが階段を
あがって来て「うちの師匠を知りませんか?」
っていうから、祭りの会所で酒のんでるよ、って
教えてやった。

師匠の出番が近いらしくて前座さんは大慌てで
師匠を探しに行きました。

さてここからです。
しばらくすると師匠が帰って来まして、高座も
無事に済んだのですが、
今度は前座さんが帰って来ない。

みんなで探し回ったのですが、どこにもいません。
祭りの日とはいえ、着流しに雪駄という姿
ですから、かなり目立つハズなのに
どうしても見つからないのです。

とうとうその日はあきらめてしまった。
で、行方不明なのです。
友人知人を探しても見つからない。念の為に
親元に連絡してもわからない。

天にのぼったか、地にもぐったか。
それ以来、
今日に至るまで全く消息が知れないのです。

以上、
我々は「怪談かさねがふち」と呼んでいます。

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