つばさ #12 (4/13)
西城秀樹はコミュニティ放送局の社長の
真瀬を知ってるね。
官僚だった癖に性格の悪さから官僚を
しくじって故郷に帰ってぶらぶら
してるのが、柄にもなく心配なんじゃ
ないの?
「甘玉堂」を不動産仲介しようとした時の
つばさの「啖呵」にホレ込んだんだ。
この子なら、あの曲者の真瀬の社員が
務まると、たぶん踏んだんだ。
違うかな?
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松本明子は何でそろばんを持ってんの?
食事中くらいビリヤードのボールを
ラックに入れときなよ!
息子が落ち着きのない子供に育つよ!
あったま悪そうな息子だよなぁ。
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知秋は思春期でナイーブになってる。
体の成長に精神が追いつかないって
「うらやましい」若さいっぱいの状態だね。
何しろ母親の加乃子が
憎みきれないロクでなし、だからね。
昔の家族写真なんか、破っちゃえ!
加乃子に知秋の気持なんか分かろうハズもない。
祖母は竹雄もまたしかり。
唯一の理解者である、つばさは働きに
出てしまった。
学校から帰っても「おかえり!」という
優しい笑顔が待っていない。
学校の出来事を一体誰に話して聞かせれば
いいんだ!
みんなは「知秋」を「いい子」だと思っている。
そこがまた腹が立つ。自分はいい子なんか
じゃない!我慢をしているだけなんだ。
本当は母親の加乃子ををしたっているのに、
加乃子はあの調子だし、知秋は自分の気持を
素直に母親にぶっつけられない。
でもね、知秋よ、つばさはあと数年すれば
彼氏が出来て結婚するんだよ。
つばさに甘えるのもいい加減にしないと!
早く大人になれよ!
自分を確立しろ!やりたい事は何かないのか?
家族がうっとうしくなる位に
熱中する事はないの?
この世の中は早く大人になった者の勝ちだぞ!