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2009年4月17日 (金)

つばさ  #16  (4/17)

娘は母親の、いい相談相手になる。

「女同士」という、性別による連帯感と
いうのもある。

苦労に感じる所が「女同士」、分る部分が
多くある、というのもある。

「お母さんは嫌いだけど、私の琴線に
 ふれる会話もたまにはある」

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しかしこれは娘が大きくなって、結婚して
からの話である。

結婚生活を自分で経験して、あらためて
母親の苦労が身に染みる、というヤツで

いかに娘だからといって、
子供の間はまだ無理だ。

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つばさは「20歳のおかん」である。

子供の頃、加乃子に捨てられたせいで
「おかん」にならざるを得なかった。

竹雄は「あまたま」作りで忙しいし、
祖母は老舗の「甘玉堂」のやり繰りで
手が離せない。知秋はほとんど赤ちゃんだ。

どうしても「駒」がひとつ、
家事と知秋の世話をする人間が
玉木家には足りない!

そこで、つばさがその役を買って出た。
つばさは急速に子供から大人になり、
まわりからは「おかん」と呼ばれる様になった。

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つばさの知秋に対する態度は(ドアごしに)
実に厳しい。甘える事を許さない。
ナレーションのラジオ男が、その厳しさは
知秋に向けられただけでなく、つばさ自身にも
向けられたものだと言ってた。

つばさは自分にハッパをかけたのだ。
ともすると弱気になる自分にカツと入れたのだ。
自分は「おかん」だから
強くなくてはいけないのだ!
問題から逃げてはいけない!(加乃子の家出)

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工事現場で、つばさは加乃子の良き
相談相手になっていた。
それはつばさが「20歳のおかん」だからだ。
加乃子の言う事を理解できるのだ。

自分と相通ずるものを感じるのだ。
「女同士」「老舗の家に縛り付けられて
身動きのとれない、女同士」

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おい、知秋、いい加減で母親を許してやれよ。
母親だって人間だぞ。間違いくらいするさ。
一度だけ、大目に見てやれよ。

「貸し」をひとつ作って置くのも悪くないぞ!

祖母の千代は「ダメな子」ほど
可愛いんだろうなぁ。加乃子にきつくあたるけど
実は、心を痛めているのだと思う。

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