「梅ちゃん先生」 もうすぐ解剖始まる
芸術は模倣から始まる。
絵画や小説は模写から始まる。
漫画もだね。
つまり梅ちゃんは噴水の考える人を
写生するより
教科書の肝臓をひたすら描きうつす方が
画伯への道としては手っ取り早いと思う。
梅ちゃんの考える人は
考える人の絵だ、と聞いたあと見ると
「がんばったねぇ、苦労したねぇ」
と言えるけれど
最初に絵を見せられて
「さぁ、何の絵だ?」
と質問されると、まるで分からない。
まさかジャガイモとは答えないまでも
猿はかなり答えの数が多いと思う。
絵のヘタなところが
字がヘタなところにも悪い影響を与えてるね。
でもまあいいんじゃないの?
病院の医者が書くカルテのドイツ語も
書きなぐりの医者が多いもんね。
それも自慢なのかも知れないけど。
闇市ってあんなに平和だったのかなぁ。
人間の欲望がうずまく街角でしょ。
金降る街角でしょ。
もっとリアルにえがいても・・・
でもそれじゃ梅ちゃんの存在がかすむか。
ドラム缶の風呂はのぞき見されそうだね。
いや、されるね!
最後に男子学生があらわれた。
なにしに来たんだ?
男子校みたいだった。
お互いの友好をふかめる相談か?
ひとりだけ梅ちゃんをにらんでる感じの
悪い子がいた。