「アイムホーム」 #2 誰かがウソをついている
木村拓哉はキムタクと呼ばれると機嫌が
悪いと聞いた事がある。
誇り高い人なのだ。
以前、亡くなった漫才の、横山やすしの
息子である木村一八が
「もし自分をカズヤではなくイッパチと
呼ぶ奴がいたら俺はそいつをぶん殴る」
そう話していましたが
「キムタク」とは少しニュアンスが違う。
キムタクは木村拓哉ファンの愛称であって
ファンたちがファンクラブの閉鎖的な仲間意識を
楽しんでいる感じがする。
だからキムタクと呼ばれて、怒っちゃいけない。
木村拓哉は演技がひと皮むけて上手になってる。
ドラマのセリフで息子に
「お父さん少し壊れた、でも修理はできる、
少しづつ修理していくから!」
「変わるから!ボク変わるから!」
盛んにこう言いますが、主人公はストーリーで
変わっても、木村拓哉は変わらない方がいい。
なかなかいい演技をしてる。
これまで放送されたドラマでは
木村拓哉はいつも木村拓哉だった。
今回は木村拓哉は「お面」をかぶり
家路久になりきっている。
彼は事故で記憶が5年ほどなくなり
現在でも今あったことをすぐに忘れてしまう。
医者の診察でその点について彼は
「映画で観たから分かります」と答えた。
あの映画というのは、たぶん
ドリュー・バリモアの
「50回目のファースト・キス」ですよね。
***********************
トレジャー・ランドに木村拓哉は息子を
一度も遊びに連れて行っていない。
家庭的な父親ではなく仕事人間だったから。
でも息子は学校で友達と言い合いになり自分は
父親に連れて行ってもらったと怒鳴ってた。
しかも木村が借りているトランクルームには
トレジャー・ランドで買ったと思われる宝箱が
隅に置いてあった。
息子は一体誰とトレジャー・ランドに出かけたのか?
息子のいう父親とは誰の事なのか?
記憶を失ったあの事故は
起こるべくして起こったのではないか?
会社の権力闘争に巻き込まれて
誰かにハメられたのではないのか?
死ぬハズだったのに、死ななかった。
だから女の見張り役が彼に張り付いている。
「知らない方がいい事もある」
学生時代、親友だったココリコ田中はそう言った。
彼は何かを知っている。
キムタクが結婚して離婚してまた結婚して
そして現在に至るまでの成り行きを。
すぐにも真相を知りたいけれど、
我々は来週まで待たなければならない。
それは確かだ。
少しは進展があるだろう。それも確かだ。
でなきゃ、やってられない。
何の話だ?知らない、それも確かだ。