作曲家 黛敏郎の華麗なる「サラメシ」
「誰にでも昼は来る」
黛敏郎も昼を食べた。
銀座の一流ホテル内の一流レストランで
「カツレツ」を。
彼らしく身だしなみを整えて。
迎えるホール係も正装だ。
「トンカツ」じゃないよ。
「カツレツ」よ。
フランスぽくてオシャレだ。
肉を薄く叩いてフライパンであげた、
トンカツと味はさほど違わないと思うのだけど
「カツレツ」は世界的に認知された立派な料理だからね。
一流のレストランは
「カツレツ」にソースポットのデミグラスソース
黛敏郎はそれを愛して昼食によく食べていたらしい。
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人には誰しもあこがれの人物というものがある。
あんな風に生きられたら良いなあ、という。
黛敏郎の作曲の才能がすごい。
もちろん東京芸大を卒業して後輩の指導をやってる。
交友関係がまた・・・・・
ため息が出るほど素敵だ。
芥川也寸志、團伊玖磨、石原慎太郎、江藤淳、
大江健三郎、谷川俊太郎、
寺山修司、永六輔、福田善之、中川昭一
総理大臣が亡くなって、葬儀場から奥様と車で
帰る時、黛敏郎は隣りの奥様にささやいた。
「奥様、春の雪です」
車の外で淡い雪が降り始めたのだ。
三島由紀夫の「春の雪」に、かけているんだよ。
なんでしょうか、このダンディズムは。
60年安保改定反対運動に参加してるんだ。
すごいよなあ。
私の場合、大学側と結託した応援団に、にらまれて
無人の教室で叩かれたくらいで
何の主張もなく騒いでただけで、黛敏郎とえらい違いだ。
「カツレツ」と「トンカツ」の違いだよ。
「題名のない音楽会」の頃は気取った変なオジサン
くらいにしか思ってなかったけど。
でもそんな彼も昼になるとお腹がすく悲しさよ。
嬉しかろうが悲しかろうが人間は
情けない事に時間になると空腹になるんだよね。
銀座のホテルで「カツレツ」かあ。
オシャレで理知的なものを感じるなあ。
友達が芥川龍之介の子供の芥川也寸志や
石原慎太郎や寺山修司に大江健三郎、谷川俊太郎だよ。
気骨のある人ばかりじゃないか!
たまらん、たまらん、だよ全くの話。
