べっぴんさん ヒロインすみれ
ヒロインのすみれが好演している。
裕福な家で苦労知らずに育ったお嬢様が
敗戦によって自分の置かれた立場を
理解して徐々に世の中の仕組みを知っていく。
この悲しくも新鮮な体験を
おさえた演技で好演している。
スピルバーグ監督の「太陽の帝国」での
主役の少年のようだ。
あの少年は混乱の上海で両親と迷子になって
無人の自宅に1人もどった時
家財道具を盗み出す召使の中国人の女に殴られた。
ホッとして、甘えてすりよって行ったのに。
少年は何が起こったのか理解出来なかったろう。
召使が自分を嫌っているとは夢にも思っていなかったろう。
すみれも今、似た体験をしている。
違いは、召使のばあやがすみれを殴らないのと
すみれのまわりは善良な人ばかりで
すみれを助けてくれる、そこだけだと思う。