「ひよっこ」「やすらぎの郷」 終わってしまった
数直線があったとして
我々の退屈な日常が原点の「0」だとすると
「アウトレイジ」の対極に「ひよっこ」はありました。
では、どちらのドラマを作るのが難しいか?
人間は欲のかたまりです。
人間は欲で出来ています。
自然と利害が対立して、あちこちで紛争が起きます。
この欲の歯車はかみあいません。
「ひよっこ」はそれを強引にかみあわせてみせた。
悪を善にすべて変換する。
これは難題ですよ。
視聴率など考えていては出来るワザではない。
私は「ひよっこ」は作者が思うがままに
わがままを押し通した「傑作」だと思う。
究極の性善説でドラマを作るという着眼点が
斬新でそれは見事に成功したと思います。
「後味がいいもの」これがすべてです。
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「やすらぎの郷」も終わってしまった。
最終回の石坂浩二がちょっと可哀想で
ほぼ同世代なので身につまされました。
石坂浩二は結局若い2人に人生の引導を
渡された形ですね。
「長い間ごくろうさまでした」という。
歳をとると
それを受け入れるのが大変でね。
社会からは、とうに、はじき飛ばされているのに。
それを認めたくなくて
或は、気がつかなくて、悪あがきしてしまうんだ。
私の知り合いに
夜中ねていたら亡くなった奥さんの声で目がさめて
それから朝まで寝られなかった、という人がいます。
なんとも寂しい話でね。
石坂浩二が最後レンタカーに乗って
「早くやすらぎの郷に帰って、仲間と話がしたい」
あの気持ちはよく分かります。