U-29 漫画家志望
漫画家は今もっとも魅力ある職業ではあるまいか。
ウエブと紙と、
とにかくチャンスはすぐ手の届く所にある。
競争は厳しいけれど、発表の場は用意されているのだ。
電子書籍で人気が出ると連載から書籍へ移行して
ドラマ化だって夢ではない。
紙だって雑誌社に持ち込んで編集者に読んでもらえる。
漫画で自分を表現するには恵まれた時代だよね。
しかし、
大きく立ちはだかる才能の壁がある。
以前のU-29で紹介された矢島光さんはどうしているのか?
今回の切戸さんも絵はうまい。
絵は時間さえかければ上手になる。
問題なのは矢島さんもそうだけど、ストーリー展開
なんですね。
「努力」だけではどうにもならない「才能」の壁がある。
それに「才能」ですらいつか泉が枯れてしまう日が来るのです。
U-29
何歳まで夢を追うか?
これは永遠の難問でね。
夢を追い過ぎると人生を台無しにしてしまうし
かといって未練と後悔が残る形で終わるのも不本意だ。
非常に難しい問題だよね。
切戸さんたちの住む田舎のアパートが
第二のトキワ荘になるかどうか。
近くに仲間がいるのは心強い反面、焦りにもなる。
仲間が次々と賞をとってメジャーデビューしていくのを
複雑な気持ちで祝福しなければいけない残酷さ。
普通に大学を出て就職すれば楽なんだけど。
超優良企業を退職して、みずから困難な道を選ぶ
人もいる。世の中は様々だ。
それが正解だったかどうかは死んでみるまで分からない。