ネズミ捕り この卑怯者! この税金泥棒!
検問
「飲酒運転の検問です。ご協力下さい」
「家庭訪問やってんの?こんな夜に、ご苦労さん」
「訪問じゃなくて、検問だよ。見りゃ分かるでしょ」
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「酒くさいね、旦那さん」
「ウチ酒屋だから、風呂もみそ汁も酒だから」
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「お酒を飲んだね。ぷ~んと臭う、かなり飲んでる」
「オレの身体がくさいって失礼だな君は。いじめか!」
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「免許証見せて」
「人にものを頼む時は自分からだと教わらなかったのか?
警察手帳、見せて」
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「検査するから車からおりて、ほら」
「今時あおり運転でも車にカギかけて外に
出るなて言われるんだ、あんた腰に拳銃下げてる
どうかなぁ、出たら撃つ気だろ」
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「これは制服なの!決まってるの!」
「拳銃をすてなさい!君は酔っ払いに包囲されている」
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「公務執行妨害で逮捕するぞ」
「帰宅妨害で、泣いちゃうぞ」
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「私はあなたが事故で怪我しない様に
思ってやってるんだ」
「ウチじゃ鬼のかあちゃんが俺を叩くんだぞ。
知らないだろ。
若い頃は可愛かったのに
オレ、帰る家を間違えたのかと思うホド
毎晩あざだらけだよ、むしろ重傷」
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「息を思い切り吸ってはいて!」
「だからウチは酒屋だから息も屁も酒臭いの
分からん人だなアンタも。飲んでるのか?」
「この酒量では車の運転はダメだから」
「足がよろけて骨折したらもう税金は払わないからな」
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「その心配はないよ、逮捕するから」
「高校三年の補導を思い出すな、あの頃はハッ!」
「だから息が臭いって」