やすらぎの刻~道
風間俊介はツイてない運の悪さの連続で
人知れず苦労しているが
今日は2つの新発見をする。
ひとつは、風間の兄は担任と親しく交わり
その考えに影響を受け傾倒している。
担任は中国との戦争に突き進む国策に
あからさまに反対し、かねてから目をつけていた
特高に連行されてしまった。
逮捕されると、ただではすまない。
激しい拷問で尋問をされて転向を迫られる。
共産主義者は死んでも構わない。
風間の兄は校長に危険思想の持主であると
気付かれた。
校長は身の保身を考えるだろうから風間の兄も危ない。
ピアノの人も危ないな。
ふたつ目は、
風間はしのが初恋の相手だと胸をときめかしている。
しかし
しのが地主の息子たちを手近にあったモップのなぎなたで
金的をねらい一瞬で叩きのめした颯爽として
あざやかな働きを子供っぽく仲間と興奮していた幼稚さは
兄の深刻な決意のほどと比較しても
兄と弟の年齢差だけでは語れない人間の内面の違いを感じて
しのが兄に惹かれる理由が分かる。
風間はツイてないというより、兄とくらべて性格が優しいね。
ボーッとしてる。