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2019年5月21日 (火)

やすらぎの刻~道

「やすらぎの郷」の住人は目前に迫った死を
前にして、覚悟が出来ているのか、あきらめなのか
それともあえて口にしないのか

好きな事で残されたわずかな時間を楽しんでいる。
仲間が一緒だと気持ちがまぎれるのもありますね?
変わり果てた大納言の話が出て気が滅入っても
気丈に振る舞っているだけかも知れないけど。
たとえ取り乱しても、
それは構わず確実にやって来るものだから。
日常生活とはどうにもならぬ全く
異質なものと思いきかせているんだろ。

とは言っても中々煩悩は無くならないらしい。
石坂浩二がまた書き始めたと聞いて
藤竜也が自分を脚本の登場人物に加えてくれと
懇願する所は漱石の三四郎で与次郎のモデルが
誰なのか、自分だ、いや私だと、友人知人が
争ったという話とよく似ている。
漱石の小説ならモデルの自分も後世まで残る。
与次郎が盗みをやったので潮が引く様に
みんな無関係の顔になったらしいけど。
死ぬのは仕方がないが、どうかして何かを残したい
今も昔も同じ心理なのが、なんか変に焦ってしまう。

新コンシェルジュのエリさんは
偶然にも母親が石坂浩二の奥さんと係わりがあって
亡くなった日も、奇遇と言っていいのか、
同じ日だったそうだ。
「ケインとアベル」みたいに奇妙な因縁で争う2人が
同じ日に生まれるケースは多い気がしますが
知り合いの2人が別の環境で同じ日に亡くなるのは
非常に珍しい運命的なものを感じます。
これは脚本できっと使われますね。
エリさん、無欲の勝利です。

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