やすらぎの刻~道
オープニングの曲調が変わりましたね。
ということは今日の放送がきっと段落なんだ。
世間でよく迷信の様に言われるのは
人は死ぬ直前になると掃除を始める、だ。
無意識の場合もあるらしく、後で思うと
そういえば掃除をしてたね、と何かに
操られてでもいたかの様で残された家族が
また悲しい気分になる。
岸本加世子は根来家の家事をしのちゃんに教えていた。
機織りやぬか漬け、軒先には干し大根がさがっていた。
祝い事の料理も教えたんじゃないかなあ。
息子の公次が海軍に志願した寂しさをまぎらす様に
いろいろしのちゃんに教えてた。
教える目が真剣だった。
死ぬ前というのは、そんなものかも知れない。
岸本加世子には根来家の嫁として根来家の家風を
後世に伝える義務がある。
立派にその仕事を終えてから旅立った訳だ。
これで根来家の当主と嫁が相次いで亡くなった。
根来家を継ぐのは長男の公一と奥むきはしのちゃんだね。
しのちゃんは根来家を離れられなくなった。
海軍に志願した公次と結婚する予定だったらしい。
でもたぶん戦死する。
あとは公一か三平しか結婚相手の候補者がいなくなった。
おしゃべりで無神経な親戚はどこにでもいる。
私の母親の葬式には買ったばかりのハイヒールで
来たのがいて、終始足元を気にする親戚がいた。