やすらぎの刻~道
剣道の小沼道場の小沼師範は、いい男だった。
しのちゃんは男を見る目があった訳だ。
鉄兵が子供の頃、小沼師範と喧嘩したのは
義侠心のかたまりの鉄兵が
小沼の男らしい性格に好感を持ちながら
良さを認めながらの喧嘩だったんだ。
レベルの高い「男」同士の衝突だったのだ。
小沼師範はイケメンで優しくて剣道で鍛えた
体が逞しくて態度が鷹揚でね
もう何だよという気がする人だ。
しのちゃんは三平との会話でも分かるように
国粋主義だからね。
室井先生が間違っていると思い、山にうめた本、
炭小屋で焼き捨てた本について
小沼師範に密告して味方になりたかったんだろう。
でも小沼師範の清廉な人がらにふれみずからを恥じた
そういう事だったのか。
It is a foolish bird that soils its own nest.
自分の家を汚すのは愚か者なんだよね。洋の東西を問わず。
小沼師範は満州?に行くらしく、しのは思わず
抱きついてします。
運悪くそれを青っ洟に見られた。
青っ洟は当然のごとく公平にしゃべり
公平は我慢できずにそれを三平に話すだろう。
木のウロ文通が途切れがちなのと符合する。
公平の口をホッチキスでとめたいね。
三平は落ち込むだろうなぁ。小沼は特高だしね。