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2019年7月19日 (金)

やすらぎの刻~道

根来家の末っ子の幸子は歌が好きで
畑仕事が終わってみんなで家に帰る
ときなど歩調にあわせて軍歌を唄う。

父親が死んでも母親が死んでも
それを忘れたかの様に
空につけぬける様なよく通る声で
無邪気に歌う。
誰も「うるさい、静かにしろ」なんて言わない。
兄弟はやさしい。
家に歌声が響くのはいいもんだ、と思う。
この幸子の歌が消えない限り根来家は安泰だ。

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しのちゃんは根来家を出て志願して最前線で
従軍看護婦になりたいという。

しのちゃんは分かっていない。
戦争についてではなく
味方であるはずの軍隊についてだ。

先日、軍のお偉いさんに侮辱されたばかりではないか。
最前線はあんなのばかりだよ。
敵兵に撃たれて傷ついた兵士の手当がしたい
そんなきれいごとではすまない。

糧秣と女は現地調達が基本で、人数が
足りないぶんは従軍看護婦の仕事になる。
「いい女は上官から順番に」
素っ裸で尻丸出しでお姫様だっこされている
従軍看護婦が写真入りで本にのっていた。

軍の兵士たちは明日死ぬかも知れない。
普通の精神状態ではやってられないのだ。
ベトナム戦争の米軍や韓国軍も相当ひどかったらしい。
とくに韓国軍は「世界最悪の軍隊」と言われた。
村をおそって、レイプしたあと焼き殺す。
戦争になればどの国の軍隊でも同じで
要は勝てば官軍で「慰安婦問題」を持ち出せる。

ウチのオヤジは肩を撃たれてマラリアにもかかり
従軍慰安婦を見ているものだから
帰国後、平和になり、私の姉が看護学校に
行きたいと相談したら血相を変えて怒った。

しのちゃん、気持ちは分かるけど、やめた方がいい。
きれいごとじゃすまないよ。
これから戦争に出発する三平を「弱虫」と
呼ぶのも可哀想すぎると思う。

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