アナザーストーリーズ「太宰治」
太宰治の文学がすぐれているかどうなのか
私にはよく分かりませんが
太宰文学に心酔している人たちは大抵
自分と同じ心の弱さを共有できるとし、
太宰は代弁して正直に書いている、
そこがいいと言います。
「真夜中のギター」で千賀かほるが
♪愛をなくして何かを求めて
さまよう似た者同士なのね
そっとしときよ みんな孤独でつらい
黙って夜明けまでギターをひこうよ♪
この歌詞の「みんな孤独でつらい」という部分が
とてもみんなに支持されて大ヒットした。
あれと同じ感じだと思う。
ピース又吉はお笑い芸人は「自虐のネタ」がウケると
次はもっとウケようとするのだそうで
太宰は貧乏、大酒飲み、薬、女好きで
ボロボロの自分を小説にさらけ出して
書いていたそうだ。
露悪趣味という説です。
だから玉川上水に愛人と入水自殺したのも
本当は死ぬとは思っていなかったのではないか説も
あるそうだ。
それまで何回も自殺未遂をやり、それを小説に
してきたから。
本気で死ぬ気なら東尋坊でやればいいのだ。
まろ兄の様に東尋坊に飛び込んでも
ケロリとしている人もいますが
大抵は天に召されます。
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まあそれはいいとして
私が気に入らないのは太宰文学ではなくて
「心中」です。
現代でも家族を殺して自分は死にきれなかった
事件がよくありますよね。
妻や子供を殺すうちにあまりの凄惨さを目撃して
気持ちが動揺するんだと思う。
死ぬなら、ひとりで死ねばいいのだ。
自分がいなくとも残された家族は立派に
生きていきますって。
自殺する人間は大概わがままです。
太宰のように、それを小説のネタにするとは
もしそれが事実なら、さらに、もってのほかですが。